• Green, M. F., Glahn, D., Engel, S. A., Nuechterlein, K. H., Sabb, F., Strojwas, M., & Cohen, M. S. (2005). Journal of Cognitive Neuroscience, 17, 13-23.

・視覚マスキングは,オブジェクト認知を担うventral pathwayの阻害に起因する可能性が高い.
・マスクされた刺激の視認性と相関する賦活を示す脳領域を同定した先行研究.
 Grill-spector et al. (2000):ターゲット持続時間増加や練習によるrecognitionパフォーマンスの変化と相関するのがLO cortex.
 Bar et al. (2001):ターゲット持続時間一定で繰り返し呈示.LOCとanterior fusiform gyrusがrecognitionパフォーマンスと相関.
 →LOがオブジェクト認知に重要なのは分かるが,マスクではなくターゲットのeffectivenessを操作していたため,マスキングの神経基盤であるかどうか不明.
※ターゲット持続時間とマスク持続時間を一定に保ちつつ,SOA操作でマスキング量を操作し,fMRI
Results
・単調増加関数=タイプAマスキング(逆向パターンマスキングだった).
・予め同定しておいたretinotopic areas (V1/V2), hMT+, dorsal LO, ventral LOのうち,視認性と相関する賦活を示したのはventral LO(dorsal LOも傾向あり).
・restと比較してマスキング条件で賦活する部位(inferior parietal, ACC, precentral, insula, thalamic, occipital)のうち,視認性と相関する賦活を示したのはthalamus (pulvinar), inferior parietal, ACC.
Discussion
※ventral LOが視覚マスキングのsourceである可能性が示唆された(ただし,LOの賦活パターンが高次の注意中枢からのフィードバックの結果であるかどうかは本研究からは明らかではない).
・inferior parietal, pulvinar, ACCは,条件間の注意配分の差(再入力処理)に関係しているかもしれない.
<コメント>先日のHaynes, Driver, and Rees (2005) があるので別にいいんだけど.個人的興味として,hMT+はSOAに対してプロットすると逆U字型の賦活パターン.transformationの最適SOAが中間SOAなのかも.今回はパターンマスキングなのでhMT+はほとんど関与してこない?Grill-spector et al. (2000) とBar et al. (2001) からのマイナーチェンジ.結局のところ,LOは(ターゲット操作を通じてであれマスク操作を通じてであれ)視認性と相関する