• Nishida, S., & Johnston, A. (1999). Influence of motion signals on the perceived position of spatial pattern. Nature, 397, 610-612.

・rotating stimuliでMAE方向への位置シフト.
・2名のauthorでは位置シフトはMAEよりもゆっくりと減衰し,phase-reversalでリセットすると位置シフトとMAEの減衰関数は同じになる.
 →motion signal自体は時間的統合がなくてもシフトを生じるが,位置シフトは時間的統合とともに増加する.
・MAEを反対方向のreal motionで打ち消すと位置シフトが消失する.
 →物理的運動によるmislocalizationとMAEによるmislocalizationは同じソースによる.
局所的空間情報は初期皮質に存在するので,位置シフトはV5からV1/V2への再帰的入力を反映しているかもしれない.


  • McGraw, P. V., Whitaker, D., Skillen, J., Chung, S. T. L. (2002). Motion adaptation distorts perceived visual position. Current Biology, 12, 2042-2047.

MAEによる位置シフト (Showden, 1998; Nishida & Johnston, 1999) に関して,
・MAEを生じないorthogonal条件でも同等のシフト.
 →※位置シフトには順応後の運動の知覚を必要としない.
・順応とテストで空間周波数コントラストを変えると,MAEは減少するものの,位置シフトは減少しない.
 →Mather and Harris (1998) の2段階のMAEモデル
  (1) sensor layer:binocularity低く,顕著な空間選択性,V1に対応(伝統的MAEと同様の特性)
  (2) integrator layer:binocularity高く,広いチューニング,V5に対応
V5での順応によって生成された運動信号が再帰的入力を通じて低次皮質 (V1/V2) の空間位置に関する神経表象をモジュレートしているのかもしれない.
<コメント>
McGraw et al. (2004, Current Biology) とかWhitney (2005, Current Biology) に続く.内容はうろ覚えだが,以下のようなはず.McGraw et al. (2004) では運動順応後にTMSを施行して,V5-TMSでは位置シフトが消失し,V1-TMSでは位置シフトが消失しない.Whitney (2005) では順応刺激をcrowdingでアウェアネスから排除しても位置シフトが生じる.