• Tipper, S. P., Driver, J., & Weaver, B. (1991). Object-centered inhibition of return of visual attention. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 43A, 289-298.

・IORはfixed spatial coordinateで作用すると言われているが,ダイナミックなシーンではそれではダメ.
→object-centered IORの証拠を示したい.
Experiment 1-3
・Exp 1ではstaticディスプレイ(SOAは430/695 ms)でIORを確認.
・Exp 2ではmovingディスプレイ(SOAは430/695 ms,それぞれ90°/180°回転)でobject-centered IORが生じた.Exp 1の方がIORは大きく,Exp 1ではfixed spatial coordinateでのIORの分が足しあわされていると考えられたが,Exp 2ではSOA×cueの交互作用はn.s.で180°における相殺の証拠は示されなかった.
・Exp 3ではmovingディスプレイ(SOAは695/959 ms,それぞれ180°/270°回転)でobject-centered IORが生じた.ここでもSOA×cueの交互作用はn.s..
General Discussion
object-centered IORが生じる.これはダイナミックなシーンでは適応的.
・object-centered IORを生じるには,個々のオブジェクトのintegrityを維持する,オブジェクトファイルのような表象が必要.
・180°におけるobject-centered IORとfixed spatial coordinate IORでの相殺に関する証拠は得られなかったが,この点については要検討.
<コメント>
二つの座標系でのIORの相殺は,以降の研究で示されることになる(いちおうこの論文でも,交互作用が有意ではなかったとはいえ,90°/270°よりも180°でIORが小さい傾向.IORについても不勉強ですが,この論文は結構ターニングポイントな感あり.