歯医者,そして被験者

 朝11:00から歯医者に行く.行ったら場所が変わっていてあせる.電話して移転先を訊いて,そして着いてみると,どうも前回体調が思わしくなくてキャンセルした時の時間で来てしまったらしい(つまり,本当は今日は14:00予約だったと).でも,午後からは被験者しなくてはいかんし,というわけで待ってやってもらうことにした.経過観察ということだった.



 大学にヘルプデスクに形だけでも来る.事務室で他研究室の教官その他,院生が群れて飯を食ってた.7-8人はいた.あんなところで飯食われると臭いが気になる.

 さて,今から医学部でお世話になっている先生のところの研究員or院生のバングラデシュ人の実験(TMS×EMG)被験者に行ってきます(12:50).前回はTMSコイルlocalization用のキャップがきつくて頭痛がひどかったので,今日は気をつけるぞ!
 帰ってきた(15:00).また来週行かないといけなくなった.完全にボランティアだから厳しいなー.でもお世話になってるから.
 「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」式は,医学部の先生曰く「short reportどまり」らしい.「心理学の分野で,しかも国内なら,やれfMRIだのTMSだのといって,それだけで新しいなどと威張っておれるだろうが,神経科学の分野となると,そんな適当なパラダイムではお話にならない」という旨のことをやんわりと指摘された.厳しい.
 あ,ちなみに前回気分が悪くなってたのを覚えてくれていたのか,キャップじゃなかった.

 ぷよりが明日の研究会用に読んでる(読む?)論文をぱらぱらと見る.ミツバチの飛行距離計測は絶対的ではなく,知覚されたものをwaggle danceで伝えると.水上よりも陸上の方が物理距離に対する知覚距離(waggle dance duration) の回帰直線のスロープがフラットになる.つまり,ハチの飛行距離計は地形の性質に依存する,と.
 このように物理距離とは異なって教えても問題ないのは,scout beeが知覚したものはrecruit beeも知覚するからである.って,当たり前じゃん.ハチの世界を無視して,物理世界からヒトが観察してるからそんなことになるのである.まるで,先日FLEについて語ったことのようだ.運動だけが進めて知覚しなくてはならないなんてことはなくて,全て遅れた知覚世界の中においては運動物体も静止物体も同時進行してるというお話.あくまで,事態が生じている世界なり枠なりを気にかける必要がある.
 一般的な話になるが,上述のような留意点に加え,さらに,ある現象にある影響が存在するといっても,ヒエラルキー(解剖学的であれ機能的であれ)のどの段階で生じているのかということまで言及すべきだと思う.あくまで,脳内に実装可能な形のモデルでなければ,机上の空論に過ぎない,と思う.概念だけ弄んでたりしててもダメということ.

 とまあ,上で偉そうに言ってますが,そんなこと出来ていないでいる自分自身に嫌気がさしますな.