• Snyder, J. J., & Kingstone, A. (2000). Inhibition of return and visual search: How many separate loci are inhibited? Perception & Psychophysics, 62, 452-458.

IORが生じうる位置の数を調べたい(Danziger et al. (1998) を改良して,8個のbox,最大6個のcue).
Experiment
cue, targetがSOA = 500 msで100 msずつ呈示.8個のboxでターゲット出現確率は同じ.
IORは少なくとも5個(おそらく6個)まで生じ,最新のcued locationから線形に減少.
Discussion
・Danziger et al. (1998) と考え合わせると,IORの線形減少の原因は,「時間経過」ではなく「cueの数」.
・(1) FINST-likeなinhibitory tagging,(2) inhibitory priority queue,の2つの可能性.
<コメント>
勉強不足につき,2つの説明概念の違いがよくわかんない.hrsnbykには区別がつかない.


  • Shomstein, S., & Yantis, S. (2002). Object-based attention: Sensory modulation or priority setting? Perception & Psychophysics, 64, 41-51.

・object-based attention効果 (e.g., Egly et al., 1994) は少なくとも二つのメカニズム,(1) sensory enhancement:注意配分で初期感覚表象の質を向上,オブジェクト境界までトップダウン促進が拡散,(2) attentional prioritization:シーン内の異なる位置を探索する際の優先順位に影響(もちろん,優先度を考慮に入れた,display-wideで並列な情報抽出かもしれない),で説明可能.
→修正版のフランカー適合性パラダイムでいずれが妥当か調べる.
Experiment 1-4
ターゲットは必ず中央に出現(探索は必要ない).フランカーはターゲットと同じあるいは異なるオブジェクトに呈示.
フランカー効果はobject-basedモジュレーションを受けない→attentional prioritizationに一致.
Experiment 5
attentional prioritizationならば,注意が焦点化できなければobject-basedモジュレーションが生じるはず.central cue(ターゲット位置を予測しない)あり,ターゲットは4ヶ所のうちの1ヶ所に呈示フランカーは必ずターゲットと異なるオブジェクトに呈示(ターゲットがcued objectならフランカーはuncued object,もしくはその逆).
cued objectにターゲットが呈示されるとフランカー効果が小さい→object-basedモジュレーションの決定因はattentional prioritization(attended objectに先にvisitするという方略).
・compatible条件でのRTがターゲット出現位置 (cued/uncued) に関わらず差がないのは,(ターゲットがuncued objectに出現した場合にcued objectで)先にvisitしたフランカーによる促進効果が注意の最定位コストを消失させるからか.
General Discussion
・Egly et al. (1994) もvalidity効果を注意シフトとして捉えており,あくまでrectangleが一度に全体として選択されるわけではない.
※object-basedモジュレーションが生じるのは,(1) シーンの異なる部分が同オブジェクトの一部として選択され,(2) シーン内の複数箇所に注意を配分するタスクである場合.単一箇所に注意が焦点化するとobject-based効果は生じない.
<コメント>
Exp 1-4とExp 5では注意の分散以外にも異なる点があり,それが効いてる可能性がある.それが効いていれば,sensory enhancementはattentional prioritizationを包含するような気が….


  • Marrara, M. T., & Moore, C. M. (2003). Object-based selection in the two-rectangles method is not an artifact of the three-sided directional cue. Perception & Psychophysics, 65, 1103-1109.

・Egly et al. (1994) のようなtwo-rectangles method(著者用語)におけるobject-based attention効果は,実はthree-sided cueの方向情報(invalid-same位置を指し示している)によるかもしれない.
Experiment 1
・Egly et al. (1994) の追試→成功.
Experiment 2-4
・2つのrectangleではなく4つのsquareにするとobject効果消失 (Exp 2),4つのsquareを4頂点のドットで定義してオブジェクト構造を不明瞭にしてもobject効果なし (Exp 3),Exp 3に加えて空白領域もドットで埋めてさらにオブジェクト構造を曖昧にしてもobject効果なし (Exp 4).
→オブジェクト構造がいくら不明瞭でも,three-sided cueの方向情報はoverrideしない.
Experiment 5
・ドットで構成されていても,2つのrectangleに体制化されていればobject効果あり.
General Discussion
・three-sided cueの方向情報でシーンを体制化するような過去経験やタスク教示がない限り,方向情報は用いられない.
・この視点は他研究の矛盾点を解くのに重要であり,Pratt and Sekuler (2001) では,わずかな過去経験では強力なオブジェクト構造にoverrideできないが,Zemel et al. (2002) では,それほど強力に支持されないディスプレイ構造は徹底的な経験でoverrideできる.
Egly et al. (1994) におけるobject-specific効果は,three-sided cueによる方向情報によって生じるわけではない.
<コメント>
three-sided cueの方向情報によるわけではないというのは分かったけど,単にオブジェクト輪郭線に沿った方向にattentionがシフトしやすいだけでは?



だんだんと面倒くさくなってきた.

  • Haimson, C., & Behrmann, M. (2001). Cued visual attention does not distinguish between occluded and occluding objects. Psychonomic Bulletin & Review, 8, 496-503.

cued objectがuncued objectに遮蔽されている場合,両オブジェクトのオーバーラップ領域は選択されるのされないの?というお話.
→3Dだと注意がdepth-specificだったりsurface-specificだったり,というわけで2Dディスプレイを用いる.
Experiment
・メインの結果としては,オーバーラップ領域でのobject-based効果は,cued objectがoccluderであってもoccluded objectであっても(つまり,プローブはuncued object上に呈示)生じる.
※space-based attentionは,絵画的手がかりしか含まない重複オブジェクトを区別できない.
<コメント>
著者たちも書いてるように,結局はspatial attentionなのか?